(韓国 ハンギョレ紙 記事 2007年12月30日付 )
http://www.hani.co.kr/arti/society/rights/260123.html
(韓国)死刑制、事実上の廃止へ
2007年12月30日、我が国が全世界195カ国の中で、134番目として‘死刑廃止国家’の隊列に合流した。国際的な人権団体であるアムネスティは、まる十年間死刑執行をしなかった国を‘事実上の死刑廃止国家’として分類している。
民主社会の為の弁護士の集まり、参与連帯、韓国女性団体連合、アムネスティ韓国支部等、20の市民社会団体で構成された‘死刑廃止国家記念式準備委員会’は、この日ソウル・ヨイド国会本庁前で、‘死刑廃止国家記念式’を開いて“今日、我が国が事実上死刑廃止国家となるこの歴史的な事件は、生命と人権を慈しむ、この土地の、全ての良心の勝利”だと宣言した。
韓国ではキム・ヨンサン(金泳三、軍政与党の流れの民政党出身大統領、1992年12月~1997年11月在任―訳者注)政府時である1997年12月30日、死刑囚23名が、一度に処刑されて以来十年間、一度も死刑が執行されなかった。現在64名の死刑囚がいる。
大統合民主新党(ノ・ムヒョン与党・開かれたウリ党の後継政党)のキム・クンテ、ユ・インテ議員、カトリック司教会の正義平和委員長のチェ・ギサン司教、仏教人権委員長チン・ガンス師など記念式参席者100余名はこの日、“死刑廃止法案が、10数年に亘って廃棄されることを繰り返される悲しい姿が残ることの無いように、17代国会が終わる前に立法を通して、死刑を廃止せよ”と迫った。韓国キリスト教教会協議会クヲン・オソン総務は、“次の政権も、今後五年間、前任者のように死刑執行をすることの無い様に期待する”と語った。
しかし、イ・ミョンパク(李明博)当選者(次期大統領)は、大選候補の中で唯一、死刑制廃止に反対意見を明らかにしたことがあり、こんな流れが継続されるかどうか、注目される。17代国会で、採択の過半数である175名の議員が‘死刑廃止に関する特別法’を発議したのだが、いつも通りに、国会の法制司法委員会に繋留中だ。法務部は、‘死刑制廃止法案が国会に繋留されているからには、死刑執行をしないで国民の意思に従う決定を待つという立場’だと、明らかにした。(訳 柴野貞夫)
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